【書評】アート小説(美術史小説)とは?原田マハさんをご紹介!

こんにちは、年間100冊読書をしています。ワラカミです。

さて、「絵画に詳しくなりたいけれどどう勉強したらいいかわからない」ということはありませんか?私も数年前に大学の授業で美術史を履修するまで、絵画を見に行っても楽しさがよくわからない人の1人でした。今では、すっかり趣味の一つとなってしまい、本ブログでも何度かアートの楽しみ方をご紹介しています。

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今回は、そんな美術史初心者の人にも、「絵画が好きでもっと詳しくなりたい!」という中級者にもおすすめなアート小説(美術史小説)を読んだのでご紹介します。

『アート小説』とは?

『アート小説』とは、その名の通り、アートをテーマにした小説のことです。
定まった呼び方はなく、『美術史小説』や『美術小説』とも呼ばれます。

有名な画家の生きた時代背景や、その画家の性格、周りにいた人たちのうち明らかになっている情報をもとに作成されたフィクションの物語です。

つまり、一般的な歴史小説と同様、明らかになっていない部分は想像して書かれているため、美術史の知識がすでに多少ある人は「そんな事実あったっけ?」と思うかもしれません。ただ、人物の描写などが面白く、「確かにこの画家はこんなセリフを述べそうだ」など絵画への理解を深めることができ、美術が好きな人は、より美術が好きになる小説のジャンルと言えるでしょう。

原田マハさんとは?

日本でアート小説と言えば、原田マハさん!と言っても過言ではないでしょう。

ニューヨーク近代近代美術館での勤務経験があるなど、華やかな経歴の持ち主で、美術に対する造詣の深さはお墨付きです!略歴は下記の通り。

1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、2006年作家デビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。ほかの著作に『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『たゆたえども沈まず』『常設展示室』『ロマンシエ』など、アートを題材にした小説等を多数発表。画家の足跡を辿った『ゴッホのあしあと』や、アートと美食に巡り会う旅を綴った『フーテンのマハ』など、新書やエッセイも執筆。

原田マハ公式サイト「Naked Maha」より

原田マハさんの小説がきっかけで美術のとりこになる人もいるようです。他にも絵画×社会問題など独自の世界観で多くの作品を出版しています。

作品紹介

たゆたえども沈まず(2020年)

原田マハさんが考える「日本人はなぜゴッホが大好きなのか」を題材にした小説です。
私は映画「ゴッホ 最期の手紙」を見たこともあったため、ゴッホの人生については一通り知っているつもりでいましたが、その時代の日本がどのような時代だったか、日本人は何を考えていたかなどは知らなかったため、面白く読ませていただきました。

ジヴェルニーの食卓(2015年)

モネ、マティス、ドガ、セザンヌという4人の印象派の巨匠たちを題材にした4つの短編集です。特に、どの物語もその巨匠たちの側にいた女性たちの目線で話が進んでいきます。ピカソとマティスの性格の違いや、ドガという人物と踊り子の関係など、興味深く読むことができました。

最初、語り手は誰なのか?などが抽象的ですが、読み進めていくうちに物語への理解が追いつき、最後は「そう言うことだったのか!」と少し感動する内容になっています

おわりに

今回ご紹介した作品の他にも、原田マハさんの作品は評価が高いものが多く、当ブログでもどんどん扱っていきたいと思います!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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