7Days Book Cover Challenge Day6【May 4】
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
今日は、「あらすじで読むシェイクスピア全作品(祥伝社新書)」という本を読んだのでご紹介します。
突然ですが、皆さんはシェイクスピアを読んだことがありますか?
こうして書評を書く私は、シェイクスピアの知識は全くありません。
ただ、
- シェイクスピアの英語が素晴らしい
- その後の映画や文学でセリフが引用されている
- 海外の人との会話が弾む、
などという噂もあり、いつか読んでみたいという気持ちをずっと抱えていました。
しかし、どこから手を付けたら良いものだろうかと迷っていた時、こちらの本を手に取りました。
結論としては、初心者の入門書として、おすすめできます!!
シェイクスピアはなぜ難しく感じるのか
日本人が初めてシェイクスピアを読む時、いくつかのハードルがあると考えています。例えば、
- 登場人物が多く、煩雑な人間関係を追うのが難しい
- 物語の時代設定になっている歴史的背景と、引用されているギリシャ神話がわからない
- つまるところ、英語で読まないと、何が美しいのかよくわからない
という壁に直面するのではないでしょうか?
この本の感動するポイントが、
- 46作品分の人物相関図が書いてある
- 歴史的背景や関連するギリシャ神話のお話にも触れられている
- 各物語の有名なセリフが日本語と英語で書かれている
というところです。
読み終えたばかりの私は、今なら突飛なシェイクスピアの話題を振られても、
「あ〜それは、XXに出てくるお話だよね」とドヤ顔ができるような気がしています。
また、あらすじが理解できたところで、いくつかこの作品は読んでみたいなと思うものが見つかっています。
ルネサンスが話を一層難しくする
シェイクスピア(1564-1616)はイギリス人です。
ちょうど日本であれば室町時代~江戸の初期くらいに生きていた人ということになります。
(思った以上に昔の人だった)
46作品分のあらすじを読みながら、私は引っかかることがありました。
それはイギリス人なのに、イギリスを舞台とした物語が少ないということです。例えば、いくつかの作品の舞台を列挙してみると、
- 『タイタス・アンドロニカス』(初版1594年):古代ローマ
- 『アントニーとクレオパトラ』(初版1623年):ローマとエジプト
- 『ロミオとジュリエット』(初版1597年):イタリア・ベローナ地方
- 『ヴェニスの商人』(初版1600年):イタリア・ヴェニス
“ルネサンス”の定義を念の為調べてみると、
「再生」とか「復興」を意味し、14世紀頃から古典古代文化の再生を目指す北イタリアで始まる文化運動をさしているが、(中略)古典古代の思想に範を求めつつ、その社会の知性や完成に革命的な変化をもたらす文化現象にも、この用語は用いられる
引用元:新 もういちど読む 山川世界史
なるほど、と思いました。
もし、彼が同時代のイギリスについて述べていたならば、少しは理解へのハードルが下がるのですが、真に物語を理解するには、古代ローマ帝国の常識も理解していなければならないようです。
『ヴェニスの商人』であれば、ユダヤ人の高利貸しとキリスト教の問題を暗にほのめかす作品ですが、
なぜ同時時点でそのような話題を選んだかを理解することで、より作品への理解が深まります。
調べてみれば、”十字軍をきっかけにイタリア人商人が台頭し、ヨーロッパ在住のユダヤ人商人は、イスラム教圏在住ユダヤ人との取引を独占することで公的に認められた唯一の交易商人としての保護を失っている”ことがわかります。(参照:wikipedia)
そのような社会問題に対して、革命的な変化をもたらそうという試みがされていたのでしょうね。
おわりに
シェイクスピアは想像以上に奥が深かったです。
シェイクスピア研究をしたくなる気持ちがよくわかりました。
私もこれがきっかけで、今後ハマっていくかもしれません。
余談ですが、シェイクスピアの奥さんの名前はアン・ハサウェイさんと聞いて、
やはり女優のアン・ハサウェイさんの名前の由来なのですね!!
知らなかった〜!