【書評】『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』確かにリーダーって難しいよね

5月9日に発売された「コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画」を読みました。

まだまだ、緊急事態が続く中、このスピード感で出版された著書ということで、
5月11日現在Amazonの経営戦略部門に関する書籍の売上ランキングで、
堂々の1位を獲得している著書です。

ざっと読み通したところ、以下のようなことをコンパクトにまとめた書籍でした。

  • 過去を振り返り、今後どのような影響が出てくることが予想されるか
  • 今、リーダーたちは本来どのような行動をとるべきか
  • 今回の事態は、どのような日本の問題点を炙り出したのか

その上で、正直、ありがたく在宅勤務をさせていただいていて、
直接経営とか関係ない、そんな20代会社員はこの本を読んで何を理解すると良いのか、
私たちはどう行動すると良いのか、そんな感想を書きたいと思います。

ただでさえ、情報が錯綜している中で、本来、私のような個人が偉そうに話すことではありません。
ただ、やはり、それぞれの頭がこの問題を考えることが重要で、
ぜひ原典にあたり、各々が何か考えるきっかけとなればいいなと思っています。

今後の影響

自分たちの会社も倒産するかもしれない

突然ですが、薄々それぞれが気がついている煽り文を書きました。
今後は、この経済の影響はL(ローカル)→G(グローバル)→F(フィナンシャル)の順に影響が及んでいくと述べられています。
ちなみに、これは、2008年のリーマンショックではF(フィナンシャル)から影響が広がったことと比べると対照的な動きであるとわかります。

とは言え、このような経済危機は、過去にも繰り返し起こっており、
その時に危機を乗り越えた企業に共通するのは以下のような企業です。(すでにご存知のものも含まれているでしょう)

  • 手元流動資産が潤沢である(キャッシュが多い)
  • 金融機関との信頼関係がある
  • 稼ぐ力がある(EBITDAマージン率が高い)
  • 自己資本比率が高い

EBITDAについては、こちらを読んで理解しました↓

株式会社STRコンサルティング

EBITDAは簡単な計算式で「事業の本質的なキャッシュフロー獲得能力」を表しています。一体どういうことか、定義だけではな…

簡単に言えば、金融の利子などではなく、その企業が本来の生業でどれだけ稼ぐ力があるか
を表す指標でした。

正式な数値が気になる方は著書に記載されているのですが、
確かにアメリカと比較すると、日本の企業の方が稼ぐ力がないということがわかりました。
(そうだろうな、という肌感覚とも合っています)

緊急時に日本はバランス型をリーダーにしてしまう

著者は、誰かのことを具体的に想像しながら書いたのでしょうか・・・

緊急時になると、秩序や手順を重んじ、色々なことに気を配る良き組織人をリーダーに選んでしまう問題を指摘しています。

独裁型の織田信長のようなリーダーは、ただでさえ人々の心が荒廃している時に、
ますます心理的ストレスがかかるからだそうです。

バランス型のリーダーは”臆病”な方が多いといいます。

著書でも、お育ちのいい奴は困るぜ・・・ということが随所にチクチク書かれています。

というよりは、平時の頭のいい人(英語ではbook smartというらしい)はいても、
そもそも、官民ともに修羅場経験を持つ人(これは英語でstreet smartらしい)がいないのです。

リーダーシップにワビサビはいらない – コロナ対応に見る日米5つの違い デザイン会社 ビートラックス: ブログ

アメリカと日本の対応の差で最も大きな差となっているのが、スピード感だろう。例えば、緊急事態宣言やStay Homeの発動…

ポストコロナを見据えて、20代会社員はどうする?

できる、できないを棚に上げ、共有したい事項を2点

  1. 緊急事態は今後もまた繰り返す。今のリーダーの行動を観察しておこう。
    もし会社が再生状態に陥ったら、ギリギリまで会社に残ると修羅場経験を積める。
  2. 破壊的イノベーションを起こし、稼ぐ力を身につけるチャンス。

今のリーダーの行動を観察する

もし読んでいるあなたが20代なら、残念ながら緊急事態は今後もまた起こるでしょう。
今回は運がよく、責任のある立場にはいなかったかもしれない。
それでも、次起こった時は、あなたはもっと責任ある立場にいるかもしれない。

今回の緊急事態で、どんなリーダーが優れた行動をとるのか、
しっかりと見ておくと今後役に立つ時がくるでしょう。

また、もし、自分の会社が今後、民事再生法を出した場合、
会社を辞めるか悩む時がくるでしょう。
私自身、怖すぎる行動を取れるか、今即答できませんが、
その会社にギリギリまで残り、修羅場を経験するという選択肢もあるのかもしれません。
個人で考えておくと良いでしょう。

稼ぐ力を身に着ける

今回の危機で、グローバル化×デジタル化による破壊的イノベーションが止まることはない

今、経済の危機に品しているL(ローカル)型産業は、実にGDPの約7割を占めています。

そして、そのL型産業は、AI/IoT/BDといった最新のデジタル技術郡と相性がよく
L型産業のデジタルトランスフォーメーションが加速すると予想されます。

会社員は自分のお金で投資をして、事業を起こすことがないため、
会社のキャッシュの感覚については弱いでしょう。

これを好機と捉えても良いでしょう。

おわりに

正しい情報を判断できる、優れたリーダーが不足していることには、
それぞれが気づきを持っている状況だと思います。

ただ不安がるのではなく、しかるべき今後を見据え、正しい知識を身につけ、
我々のような会社員も行動していきたいものです。

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